12月20日に甲府地裁が下した判決は、議会を二分した県有地問題の法的な決着を図るものであり、県民にとって大きな関心事でありました。注目された判決は、山梨県の「全面敗訴」であり、内容をみれば、県の主張は全くと言っていいほど採用されない「完全敗訴」ともいえる結果でした。
県民の税金から支出された多額の訴訟関連費用の妥当性には疑問符が付きます。時給5万円、概算払いで支払われた6,600万円の弁護士費用(調査業務委託費)は、県民感覚からすれば高額です。1億4,300万円の着手金も専決処分という例外的手法で支払われ、いずれも議会から批判の意見が相次ぎました。
突然の山梨県の方針転換、そして、長崎知事の強弁に対して方法論・法律論から異議を唱えてきた私どもにとって、今回の甲府地裁判決は想定通りの展開でありました。
一方で、県の主張に素直に耳を傾けていた県民の中には、一方的な全面敗訴を驚きを持って受けとめた方も少なくないと思います。
判決により、明確になったことが2点あります。
一つは、歴代知事及び関係者の名誉回復が図れたことです。
もう一つは、知事の判断に対して異を唱えてきた県議会の判断が間違っていなかったことです。
いずれにしても今回の判決により、これまでの長崎知事の主張は、現時点で法律的には成り立たないことが判明しました。
このような状況下に至っても、裁判を継続する判断をし控訴するとのことでありますが、新たな事実、新たな理由など全く説明されず、新たな訴訟関連費用2,871万円の県費がかかるだけでなく、仮に控訴審も敗訴となれば双方の訴訟費用が県側の負担となり、さらに県民にとって不利益ばかりが残る格好となります。
知事は県有資産の有効活用による収益確保を掲げていますが、現状は支出が膨らむばかりです。
私は、分断を促し、県民負担につながるような裁判を継続するのではなく、これまでの主張の誤りを認め、必要に応じて改め、県民本位の県政になるような政策判断を行うべきと考え議場にて質疑を行いました。