令和4年3月吉日
Q1. 鎌田川の治水対策について
近年、気候変動の影響が顕在化しており、毎年のように全国各地において、これまでに経験したことのない豪雨により、甚大な被害が発生している。
市街化が進む昭和町内は、ひとたび河川が氾濫すると甚大な被害が想定され、全国各地で発生している浸水被害の状況を目の当たりにしている地域住民は、明日はわが身と不安を募らせている。
そこで、頻発・激甚化する豪雨へ対応していくため、鎌田川の治水対策を今後、どのように進めていくのか伺う。
A1. (長崎知事)
防災まちづくりの取り組みを支援‼
発化する豪雨災害に対して、ハード・ソフトの両面から対策を行う流域治水を進めることが重要です。
ハード対策については、笛吹川合流点から中央道までの6.9キロメートル区間で、下流から順次川幅を拡げるとともに、河道状況に応じて浚渫などを実施しています。
また、低平地に流入する水量の低減には、上流域で雨水を貯める対策が有効であることから、過日設置した鎌田川流域治水検討会において、地域間の相互理解を深めながら、検討を進めています。
一方、ソフト対策を進めて、命を守る避難行動につなげるためには、水害リスク情報の充実と分かりやすく見える化することが必要です。
このため、新たに中小河川の洪水浸水想定区域図を作成した上で、洪水時の速やかな避難判断を促すために、水位計や河川監視カメラを増設してネット配信を進めています。
更に今後は、電柱などへの想定浸水深さの表示や流域住民の避難訓練などの市町が行う防災まちづくりの取り組みを支援して参ります。
Q2. 健康寿命延伸のための取り組みについて
先般、都道府県別の健康寿命が公表され、山梨県は男女いずれも全国2位となっている。健康寿命は健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間であり、人生100年時代にあっては、極めて重要な指標であると考えている。本県の健康寿命が長い理由について、人と人とが交流する機会が多い地域性にあるのではないかと考えているが、県ではどのように分析しているのか、まず伺う。
また、いつまでも元気でいることが生涯を豊かに過ごすことの根幹であり、健康寿命のさらなる延伸を図ることが肝要である。若いときからの生活習慣が重要であり、伝統的な風習に助けられているだけでなく、病気や衰えは自分とは無関係と考えがちな、働く世代へのアプローチが必要と考える。健康寿命の長さは山梨の誇れる魅力の一つである。
現状に甘んじることなく、将来にわたって本県が健康寿命を延伸し続けていくために、今後、どのような取り組みを行うのか伺う。
A2. (成島福祉保健部長)
生活習慣病を予防できる食環境づくりを‼
まず、本県の健康寿命が長い要因については、
・高齢者の有業率が高いこと
・本県の特徴である「無尽」に代表される、人と人とのつ
ながりが強いこと
・健診受診率が高いこと
などと考えております。
次に、今後の取り組みについては、生活習慣病のリスクが高まる働く世代の健康づくりを推進するため、やまなし健康経営優良企業の認定を通じて、健診受診率の向上や禁煙、運動習慣の定着等を図っていきます。
また、コロナ禍で需要が増加している持ち帰り弁当やお惣菜に着目し、新たにおいしく減塩できるメニューを開発・販売することにより、健康に無関心な方も自然に生活習慣病を予防できる食環境づくりを進めて参ります。
Q3. 地域における児童虐待防止対策について
児童虐待の相談内容の深刻度は増し、相談対応件数も増加の一途をたどっていることから、児童相談所職員が担当する事案も増加している。加えて、国は一時保護開始の判断に関し司法審査の導入を目指すなど、児童相談所にあっては、こうした動向は大きな負担になってくる。
児童相談所と地域における支援機関との連携した取り組みが必要となるため、児童家庭支援センターや市町村の支援強化が不可欠であると考えるが、今後、県ではどのような取り組みを行うのか伺う。
A3. (長崎知事)
地域の支援力の強化を図る‼
子どもの未来を脅かす児童虐待は断じて許してはならず、県では、児童相談所の体制を強化しながら、市町村や支援機関との連携を図り、オール山梨体制での取り組みを推進して参りました。
児童虐待への対応に当たっては、まずは、関係機関の役割を明確にした上で、子どもとその家庭に生じているリスクを評価し、それぞれの役割に応じて適切な支援を提供していく必要があります。
このため、児童相談所では、主に緊急性、専門性の高い事案への対応を行い、在宅での支援が効果的な家庭への支援は市町村が中心となって行うこととし、アセスメントシートで虐待リスクを詳細に評価し共有した上で、連携して支援を行っているところです。
しかしながら、児童虐待相談件数は増え続けており、的確に対応していくためには、児童相談所の体制強化に加え、地域の子ども家庭支援の要となる市町村の対応能力の向上が喫緊の課題であると考えています。
このため、来年度は、市町村職員等への研修事業を強化することとし、職員の経験年数などに応じた実践的な研修を専門機関に委託して行うことで、市町村職員の対応能力の向上を図って参ります。
また、児童相談所の補完的な役割を担う児童家庭支援センターについても、まずは職員の増員を支援し、子ども家庭や市町村への指導、助言を行う体制の充実を図ることとしており、こうした取り組みにより、地域の支援力の強化を図って参ります。
Q4. カーボンニュートラルの実現に向けた
市町村の支援について
本県は県内全ての市町村によるゼロカーボンシティ宣言を行った。各市町村は地域特性を活用し実効性のある取り組みを検討し行動に移すことが必要であり、それが県全体のカーボンニュートラルに繋がると考える。市町村の中には地域が持つ地域特性を脱炭素化へ結びつけるノウハウや戦略が不足しているところもある。
県は市町村による実効性のある取り組みが展開されるよう、きめ細かい支援を行う必要があると考えるが、どのような支援を行っていくのか、所見を伺う。
A4. (村松環境・エネルギー部長)
先行地域の創出など実効性ある施策を‼
議員御指摘のとおり、県全体のカーボンニュートラルの実現には、市町村の役割が極めて重要であるため、県としても、市町村が実効性のある施策を立案し、着実に実行できるよう支援していく必要があります。
このため、昨年8月、市町村の果たす役割や、国が重点的に支援する脱炭素先行地域などについて理解を深めるための研修会を開催し、積極的な取り組みを促したところであります。
また、地域脱炭素に向けた具体策を検討するため、市町村や電力事業者、経済団体等で構成する検討会を設置し、これまで屋根置き太陽光発電など、再生可能エネルギーの効果的な導入手法等について検討を行って参りました。
更に現在、地域を具体的に選定する中で、その特性を最大限に生かして、地域内のカーボンゼロを達成するためのモデル的な取り組みについて検討を進めております。
今後、実行計画の策定に向けた実務的な研修会を開催するとともに、こうした検討の成果を市町村と共有し、先行地域の創出など実効性ある施策が展開されるよう、きめ細かく支援して参ります。
Q5. 県道甲府市川三郷線の無電柱化について
道路の無電柱化は良好な都市景観の創出とともに安全で快適な歩行空間の確保など重要な機能があり、積極的に整備推進を図る必要がある。加えて、昨今激甚化する災害において被害を未然に防ぐためにも、市街地の緊急輸送道路については優先的に無電柱化を推進していく必要がある。
県道甲府市川三郷線、通称昭和通りの押越地内については、本年度から無電柱化事業に着手しているが、現在どのような状況となっているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか伺う。
A5. (大儀県土整備部長)
来年度の工事着手に向けて準備を‼
県道甲府市川三郷線昭和通りは、沿線の市街化が進展した緊急輸送道路であり、強靱化の観点から無電柱化を進めることが重要です。
昭和町内においては、延長4.3キロメートルのうち、これまでに1.5キロメートルの整備が完了したところです。
無電柱化は連続して整備を進めるのが効果的であるため、令和元年度までに整備が完了した国道20号から中央道までの区間に連続した押越地区で整備を進めています。
この地区は沿道に商店が多く、日常生活に利用される路線であることから、地上機器の設置場所や工事による交通規制の時間帯などについて地元と協議を重ねてきたところです。
今年度、設計が完了したことから、町や電線管理者との調整を進め、沿線住民の御協力をいただきながら、来年度の工事着手に向けて準備を進めて参ります。
Q6. 教員の働き方改革の現状と
今後の取り組みについて
県では、昨年3月に策定した働き方改革に関する取組方針で、部活動における教員の負担軽減について、平日一日と土日のどちらかを休養日とすることを掲げ、運動部活動の指導に関しては、やまなし運動部活動ガイドラインに沿って取り組んでおり、さらに部活動指導員や外部指導者といった外部人材の活用を進めていることは承知している。
そこで、運動部活動の指導における教員の働き方改革について、具体的にどのような取り組みを行っているのか伺う。
また、働き方改革を進めていく上で、勤務時間に対する教員の意識を変えていくことが必要であると考えるが、県の所見を伺う。
A6. (三井教育長)
働き方改革の推進と、教員の意識改革に努める‼
まず、運動部活動における働き方改革については、部活動から離れる時間を創出するための適切な休養日の設定と複数顧問の配置などに取り組んでおります。
休養日の設定については、平日1日と土日どちらか1日を休養日とすることを指導しており、土日の休養日では、令和2年度に中学校で98%、高校で86%の顧問が適切に休養日の設定をしております。
また、複数顧問は、令和2年度では中学校の73%、高校の97%の運動部に配置し、部活動指導時間の縮減を図っております。
県ではこうした取り組みに加え、部活動指導員などの外部人材を、この5年間で52人から77人へと拡充させてきたところであり、今後も国の動向を踏まえながら導入促進を図るとともに、休日部活動の地域移行に向けた取り組みも積極的に進めて参ります。
次に、勤務時間に対する教員の意識改革についてであります。
子どものためであればどんな長時間勤務も良しとするという働き方は、教員を疲弊させることにつながり、長期的には必ずしも子どものためになりません。
そのため、これまでの働き方を見直して、ワーク・ライフ・バランスを実現させていく働き方にシフトさせ、子どもたちと向き合う時間を確保して効果的な教育活動を行うことができるよう、働き方改革を推進しながら、教員の意識改革に努めて参ります。
Q7. ICT教育の推進について
一昨年の11月、学校配布の一人一台端末を利用した「いじめ」が原因で、ひとりの小学生が自ら命を絶つという大変痛ましい事案があった。この事案では、端末による「いじめ」を誘発した要因として、管理面に問題があったことが報道された。一人一台端末による教育活動を安心・安全に行えるようにするためには、子どもたちが使う端末のパスワードが適切に管理されることが必要であるが、今回の事案を受けて、県としてどのような対応をしているのか、まず伺う。
また、学校における子どもたちへの情報モラルの指導も大切であるが、学校現場ではどのような取り組みが行われているのか、併せて伺う。
A7. (三井教育長)
情報モラル教育の推進が非常に重要‼
児童生徒が1人1台端末を安心・安全に活用しながら学習を進めていくためには、学校における適切な端末管理や情報モラル教育の推進が非常に重要です。
そのため県では、児童生徒が使用する端末のパスワードについて、これまでも類推しやすい設定や安易な文字の組合せにしないことなどを市町村に指導して参りましたが、今回の事案を受けて、改めて適切な管理について周知・徹底を図ったところです。
次に、学校における情報モラル教育については、道徳科などの授業で、国が策定したリーフレットや動画教材なども活用して、例えばパスワードなどの情報をもらさないことや、SNSを利用する場合の注意事項などを学んでおります。
また、安全にインターネットを使えるようにするため、外部講師を招いて親子教室を開催したり、小学校高学年向けのハンドブックを作成して配布したりするなどの、情報モラルへの理解を深める取り組みを行っております。
県としては、日々高度化する情報社会を生きる子どもたちが、端末やインターネット等を適切に使いこなせるよう、こうした取り組みを引き続き推進して参ります。
先進自治体の視察を行いました
広島県の防災行政を現地調査と座学にて確認し、山梨県としてもいつ起きるかわからな災害を未然に防ぐためには、過去の教訓を紐解き、危険個所を積極的対応において解消する整備計画プランロードマップを進める必要性を強く感じた。
また、「ひろしま土砂災害体験VR」教材は災害時の呼びかけの重要性などの意識啓発、小学校での出前講座でも使用している。山梨県での活用としては「富士山噴火に備えての早めの避難の気づきから避難までのシミュレーション」をVRとして活用ができると感じた。
広島大学と東広島市が持続可能な未来ビジョンを共有し、少子高齢化社会において”いかに外から人を呼び込めるか”を視座とし、ASU大学の取組”まちづくりの視点でのスマートシティー・イノベーション”を参考にしている。さらに連携企業の持つ技術やシステムを積極的に導入している。
山梨県においても山梨大学と世界最先端の燃料電池やP2Gシステムによる水素製造など、共通点も多く、しっかりとした近未来ビジョンを示しながら、行政が大学の高度的知見を生かし、さらに企業が参入したいと思う動機付けが必要であり、都市計画マスタープランもこれらを意識しながら地域からの発想を生かせる可変的な取組をするべきである。