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2022年 秋 県政報告

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謹啓 仲秋の候、みなさまにはご清栄のこととお喜び申し上げます。

6月定例会は、新型コロナウィルス感染症対策や自殺防止対策、国の経済対策に呼応した追加補正を含む、総額144億円を超える一般会計補正予算案や「山梨県立国際交流センター設置及び管理条例の改正案」などの審議と合わせ、地下水に着目した法定外税の導入検討などの諸課題につきまして、議論が交わされました。

また、今年度は、本県の手話言語や障害者を取り巻く課題と解決策を協議し、手話条例の制定を目指すこととした「手話言語の推進を考える山梨県議会議員連盟」を設立しました。

さて、約2年ぶりとなる外国人観光客の受け入れが段階的に始まり、経済活動の本格的な再開が進んでおります。世界経済フォーラムが発表した2021年度の旅行・観光の競争力ランキングでは、観光資源や交通インフラ、治安の良さなどが評価され、日本が初めて世界1位となり、日本の総合的な魅力の高さが証明されたところであります。

本県においても、これからの秋の観光シーズンに向けて、国内外から一人でも多くの方々が、この魅力ある山梨を訪れていただくことで、基幹産業である観光業界の追い風になるとともに、経済再生への弾みとなることを切望する次第であります。

ところで、今年は、延期となっておりましたアメリカ合衆国アイオワ州におきまして、本県との姉妹締結60周年をお祝いする記念行事が開催され、友好訪問団の一員として、8月10日より知事とともに同州を訪ね、さらなる友好親善を深めて参りました。

最後に、6月定例会において、「地下水に着目した法定外普通税のあり方について」の報告書が提出されました。これは平成31年の2月議会において可決された法定外税導入に向けた政策提言を踏まえたものであり、県民に必要な行政サービスを積極的に推進していくためには、税財政の安定・強化を図り、自主財源を確保することが極めて重要であります。速やかに条例制定に向けての制度設計に取り組んでいただき、県議会での本格的な議論を行なってまいります。

これから本格的な秋を迎える中、健康には十分御留意いただき、本県のさらなる発展のため、引き続き御尽力賜りますようお願い申し上げます。

謹 白

令和4年9月吉日

2020年 冬 県政報告

台湾との団結・交流促進を目指して! 山梨県日台国際交流促進議員懇話会を開催

 山梨県日台国際交流促進議員懇話会に参加しました。
 台北駐日経済文化代表処の李世丙 副代表を招いて、台湾の経済状況や日台関係等についての講演会があり、日台関係を考える貴重な機会となりました。
 奇しくも米国のペロシ下院議長が台湾を訪れ、圧力を強める中国を念頭に米国が台湾を支持する立場を強調しています。民主主義国家と連携して、台湾海峡の平和と安定を守るための努力を日本国としても行っていかなければならないと、地方議員の立場からも痛感しています。
 次世代の日台関係がより良い形になるように、様々な意見交換や親交を通じて地方での交流も深めて参ります。
 開催にご尽力いただいた山梨台湾総会はじめ関係者の皆様に感謝いたします。

可決された補正予算は総額で約144億3千万円( 以下は主な予算項目※抜粋)

新型コロナウイルス感染症に対応した緊急対策

1 感染拡大防止と医療提供体制の整備

○ ホームケア事業費 2,687,980千円
○ 新型コロナウイルス感染症医療提供体制強化事業費 897,000千円
○ 二次救急病院等感染拡大防止支援事業費補助金 300,000千円
○ 新型コロナウイルス検査体制強化事業費 113,909千円
○ 衛生環境研究所ウイルス検査棟整備事業費 75,783千円

2 県民生活に与える影響の最小化と新しい生活様式への対応

○ 新通勤通学路等自転車走行環境整備事業費 62,194千円
○ 新県立高等学校情報教育推進事業費 12,913千円
○ 県立学校等修学旅行感染予防対策強化事業費 243,246千円

3 県内経済の安定化・反転攻勢に向けた対策

○「 美酒美県やまなし」ブランド強化事業費 13,406千円
○「 東京ガールズコレクション」開催事業費 70,000千円
○ 新たな価値を生み出す美術館ビジョン策定事業費 22,072千円
○ 県有施設トイレ環境整備事業費 100,000千円

自殺リスクの低い社会の実現に向けた総合対策

1「 ささえる」視点 ~自殺リスクのある方を支える仕組みづくり

○ ヤングケアラー支援強化事業費 12,987千円

2「 つながる」視点 ~人と人とのゆるやかなつながりの形成

○ スポーツ無尽効果検証事業費 7,020千円

3「 うるおう」視点 ~良質で安定的な雇用の確保

○ 山梨の豊かさ共創基盤構築に向けた産業人材ニーズ調査費 18,754千円

4 今後に向けた調査研究

○ 自殺要因調査研究事業費 18,000千円

その他主要事業

○ 米国産すもも・もも現地実態調査事業費 28,305千円
○ 県政情報発信事業費 16,000千円
○ 公共施設等適正管理推進事業費 161,177千円
○ 休廃止鉱山対策事業費 61,997千円
○ 産業集積促進助成金 520,572千円
○ 史跡甲府城跡整備事業費 11,704千円
○ やまなし果樹産地施設等整備事業費補助金 299,700千円

原油価格・物価高騰対策他(追加補正)

○生活困窮者緊急生活支援金給付事業費補助金 1,366,000千円
○ 生活福祉資金貸付事業推進費補助金 231,010千円
○子育て世帯生活支援特別給付金 61,291千円
○ 県立高等学校一人一台端末購入支援事業費 23,925千円
○ 外国人活躍企業支援事業費補助金 18,000千円
○物価高騰対応経営サポート事業費補助金 43,527千円
○ やまなし食のグリーン・ゾーン応援キャンペーン事業費 305,271千円
○ 飲食店グループ利用キャンペーン事業費 38,819千円
○ 木材価格高騰緊急対策事業費補助金 102,600千円
○ 畜産農家緊急支援事業費 553,872千円
○ 県立牧場管理業務委託料 19,473千円
○ 電気タクシー等普及促進事業費補助金 13,700千円
○ 水素・燃料電池分野政策的課題検討費 13,844千円
○ インバウンド観光復活プロジェクト事業費 349,070千円

地下水に着目した法定外普通税のあり方について

 近年、山梨県では、人口減少・少子化が急速に進み、行政サービスの財源である税の主要な担い手とされる生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の大幅な減少など、社会経済活動への影響が懸念されています。また、令和2年には高齢化率が30%を超え、全国よりも早く高齢化が進展するとともに、75歳以上の後期高齢者が高齢者全体の50%以上となっており、医療・介護等の社会保障 関係経費の大幅な増加が見込まれます。更に、進学や就職のため、大学・企業等が数多く立地する東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)等の大都市圏へ転出することにより、県内で子育てを行う若年層が少なくなり、少子化に歯止めがかからないという負の連鎖が続いています。財政面においても、山梨県の歳入総額における県税等の自主財源比率は、近年39%から43%程度と全国的にも低い水準で推移しており、特に歳入総額の20%を占める県税については、人口一人当たりの税収額を見ると、全国平均を100とした場合、山梨県は89.5%、法人関係二税(法人県民税及び法人事業税)では山梨県は79.1%と乖離しています。
 こうした厳しい財政状況下にあるとはいえ、「県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなし」の実現に向けた施策・事業等をスピーディーに実行するとともに、持続可能な行財政運営を図っていくためには、自主財源の確保に積極的に取り組んでいく必要があります。山梨県にとって自主財源の確保が急務である状況の中、山梨県議会は、平成31年3月に「地下水に着目した法定外税導入に関する政策提言」を山梨県知事へ提出し、山梨県は令和元年8月に租税法等の学識経験者などから構成される「山梨県地方税制等検討会」を設置し、本格的な検討を開始し、これまで「地下水に着目した法定外普通税のあり方」について検討を重ね、仮に導入するとした場合の制度として「地下水の移出 行為に対する課税」が望ましいと集約するに至りました。
 「県民共有財産である地下水を飲料用に県外排出する形で事業利用して利益を上げている企業に対して課税する」制度設計を速やかに着手するよう総務常任委員会に於いて強く求めました。
県内農業・畜産業の更なる発展の礎に! 姉妹都市アイオワ州を訪問

アイオワ州にて実施された姉妹締結60周年記念事業に議員訪問団として更なる友好を深めて来ました。

【山梨県とアイオワ州の姉妹交流の経過】 
 日米で締結された姉妹県州の第1号は、山梨県とアイオワ州である。山梨県とアイオワ州は、1959(昭和34)年の台風災害に対し、同州から見舞として農畜産物(種豚35頭、トウモロコシ1.5t)が贈られたことが契機で姉妹締結した。〈日米の議決〉山梨:1960年(昭和35年)3月14日、アイオワ:1961年(昭和36年)4月14日米国との姉妹県州関係としては日本で最初の締結であり、米国大使館の支援もあって、以後全国に姉妹県州の交流が広がっていった。
【アイオワ豚が山梨県に贈られた経過】
 昭和34年は、8月の台風7号と、9月の台風15号(伊勢湾台風)の二つの台風に相次いでみまわれ、明治40年以来の多大な被害を受けた。
 その当時、アイオワ州に住むリチャード・トーマス氏は第二次大戦後、GHQ進駐軍の軍曹として山梨県軍政部に駐留していたことがあり、県民の被災に心を痛め、種豚を贈り、農業復興の支援を州内に呼びかけた。
 その背景には、戦後、山梨県の八ヶ岳山麓の清里で、キープ協会を創立し、酪農、畜産による日本の農業改革に取り組んでいた米国人(GHQ退役軍人)ポール・ラッシュ博士の影響があると思われる。
 山梨に贈られた種豚はランドレース、ハンプシャー、ミネソタ2号という3種で、それまで日本では知られていなかった。 アイオワ豚は、昭和35年1月20日、米国空軍機の協力で羽田空港に到着。横浜の検疫所で検査された後、貨物列車で2月5日、甲府駅に到着。甲府の住吉種畜場(現在の県職員研修所)に納められた。
 アイオワ豚は、繁殖力、肉質ともに優れていたため、畜産関係者から高い評価を受けた。その後、県畜産試験場で増殖されたアイオワ豚は、県内各地の養豚農家に貸し付けられ、畜産業の建て直しに大きく貢献した。県内には全国の畜産関係者の見学が殺到。その結果、全国で新たな外国産種の導入が進んだ。
 県畜産試験場は、昭和38年以降4回にわたり輸入したアイオワ豚をベースに品種改良を重ね、昭和57年から9年の歳月をかけて、系統豚「フジザクラ」を開発した。現在、山梨県と産業界が一体となり、販路拡大を進めている山梨のブランド豚肉「フジザクラポーク」は、両県州の交流が生んだ大切な宝物となった。
(出典は「山梨県公式サイト」「清里の父ポール・ラッシュ伝」などによる)
【アイオワ渡航の成果】
 今回の訪問では二つの成果がありました。
 一つ目は、アイオワ州知事を訪問し、「山梨県アイオワ州姉妹県州締結60周年記念覚書」を締結しました。
 これまで築いてきた姉妹関係の維持だけでなく、より深化した互恵関係の構築を見据え、「農業分野における共同研究、人材交流」と「ICTを活用した青少年交流」の2つについて、今後、相互に協力し推進していくことを確認しました。
 二つ目は、アイオワ州立大学の動物科学科のジェイソン・ロス学科長をはじめ、獣医・畜産分野の教授と、畜産分野における交流について意見交換を行いました。
 具体的には、アイオワとの交流の証である「甲州富士桜ポーク」の種の保存が可能となる受精卵凍結技術の確立等や獣医師の交流等について提案したところ、快諾を得ることができました。
 今後はリモート会議等により、共同研究のテーマや獣医師の交流について、詳細を詰めていく予定です。
リニア中央新幹線の早期実現に向けて 建設現場を視察
 リニア中央新幹線は、東海道新幹線と合わせた東京・大阪間の日本の大動脈輸送の二重系化によって災害に強い国土の形成に貢献するとともに、首都圏・中部圏・関西圏の個性ある三大都市圏を一体化した巨大経済圏、いわゆる「スーパー・メガリージョン」を形成し、これからの時代に相応しい新たな成長の実現に寄与するものです。
 山梨県においては、リニア中央新幹線の開業によって、東京都心から約25分、名古屋から約45分で結ばれ、国際空港とのアクセスも格段に向上し、国内外との時間距離が劇的に短縮されることから、本県が持つ豊かな自然環境や観光資源を有効活用することなどにより、産業や経済の活性化が期待されるところです。
 県は、JR東海からの受託によるリニア建設用地の取得をはじめ、トンネル掘削で生じる大量の発生土を有効活用するための道路整備など、リニア中央新幹線の整備が円滑かつ着実に進められるための事業に取り組んでいます。
 また、沿線住民からのリニア走行音に対する懸念の声を受け止め、沿線首長らと一致団結して明かり区間における防音防災フードの原則設置をJR東海に対して要望し、技術的な制約箇所と沿線の生活環境に影響が少ない箇所を除く全てに設置することが示されるなど、沿線住民の生活環境を守るための活動にも取り組んでいます。
 県内では現在、JR東海によるトンネルや橋りょうの建設工事が鋭意進められており、私も今年の5月に建設工事の現場視察を行った際には、整備が着実に進んでいる状況を肌で感じ、開業への期待に胸が膨らむとともに、県民の代表者として建設促進にしっかりと取り組んでいく責任を改めて強く感じたところです。
 今後も引き続き、リニア中央新幹線の実現による本県の更なる経済発展と豊かな県民生活の実現に向けて、強い覚悟の下、議員活動に邁進して参ります。
主要地方道甲府市川三郷線押越工区における電線類地中化の取組
主要地方道甲府市川三郷線において、中央自動車道立体から押原小北交差点までの延長600メートルを押越工区として令和3年度より電線類の地中化に取り組んでいます。
 これまでに電線共同溝の設計を終え、6月には地中化工事の支障にもなる老朽化の進んだ押越歩道橋の撤去を行いました。
 本年度後半においては、押原小北交差点前において電線類を地中に収容するための電線共同溝の工事を発注する予定です。なお、この工事は交通への影響を考慮し、夜間作業にて行い、来年の10月頃の完成を見込んでいます。そして、順次、押原小北交差点から中央道立体交差点に向けて電線共同溝工事を進め、令和9年度の電線共同溝の完成を目指します。
 電線共同溝の完成後、東電などの電線管理者が架空線をこの電線共同溝へ移設するなどして電線類の地中化を進めていきます。